トークイベント「とっとりKAKERUTalks vol.2」をカトカミで開催しました!とっとりコミュニティ財団とのコラボ企画である本イベントは、鳥取市内・県内で様々な挑戦をしている人の”夜明け前”にスポットを当て、参加者が「自分も一歩踏み出す前夜にいるのかも」と感じられるきっかけになることを目指しています。今回ゲストにお迎えしたのは、祖父母から豆腐店を受け継ぎ、鳥取を代表するブランドへと育て上げてきた平尾とうふ店代表の平尾隆久さん、この春に9年間勤めた日本海テレビを退社し、現在は「オモシローカリスト」として地域の魅力発信に携わる岸浩之さんのお二人です。

■ 会社員時代に芽生えた、「このままでいいのか」という思い
24歳まで豆腐屋を継ぐことになるとは全く思っていなかった、と平尾さん。専門学校を経て自動車整備士として働いていた4年間、忙しさのなかで同僚がどんどん入れ替わっていく組織の姿を見て、「自分たちの仕事って何なんだろう」という疑問が少しずつ募っていったといいます。そんなある日、祖父母から豆腐店を廃業すると聞かされました。当たり前にあった風景が消える寂しさと、自分で何かを始めたいという気持ちが重なり、直感的に「自分がやる」と決断したそうです。
「はい!ワカメざんまいっ」の掛け声からお話を始めてくださったムードメーカー岸さん。東京で会社員として働きながら、休日に故郷を盛り上げるイベントを企画されていました。自分でも「輝いていた」と思えるほど充実していた日々。鳥取に戻ってからも会社員として働いていましたが、当時の自分をよく知る奥さんから、ある時「今は全然輝いてないよね」とストレートに言われました。自分でもどこかでそう感じていた岸さんにその言葉は強く残り続けたそうです。鳥取に戻って8年ほど経った頃、岸さんは働きながら「ワカメ部」を立ち上げ、休日を使って地域を面白くする仕掛けを少しずつ形にし始めました。
疑問や違和感をそのままにせず、行動に移した点がお二人に共通する一歩の踏み出し方でした。
■ 安定を手放す決断、その葛藤
安定した職を離れる決断には、当然ながら不安や反対もつきものです。さらに平尾さんが豆腐店を引き継いだ当初は、経営の知識も豆腐づくりの技術もなく、貯金もほとんどない状態からのスタートでした。さらに、設備投資のために500万円もの資金を借り入れる大きな決断をします。それでも、「うまくいく根拠なんて全くなかったけれど、このままサラリーマンとして働き続けるより、自分で事業をやってみたいというワクワク感の方が勝っていた」と当時を振り返ります。
意外なことに岸さんも、独立を決めるまでに3年ほど迷いを抱えていたそうです。家族がいる中での決断だったからこそ、何度も企画を奥さんにプレゼンし、ブラッシュアップを重ねた末に踏み出した一歩でした。「安心情報を100個集めても、絶対な保証なんてない。もし食っていけなければ、何でも働けばいい」と思えたことが大きかったと岸さん。
■ 独立して見えた、会社員時代にはなかった景色
独立後についてお話しされる際、お二人とも「会社員時代のありがたさ」を語っていました。仕事が当たり前に舞い込んでくること、失敗しても最後は会社が守ってくれること。その安心感は、独立して初めて気づいたといいます。一方で、自分で時間の使い方を決められる自由や、誰にも遠慮せず挑戦したい企画を形にできる手応えは、会社員時代には得られなかったものでした。

■登壇者からのメッセージ
質疑応答では、参加者から挑戦への迷いや不安についての質問が寄せられました。岸さんは「失敗しても大したことはない。限られた人生の中でやりたいことはやらないともったいない」と背中を押しつつ、「いつまでにやるか」を決めることが大切!というメッセージを。平尾さんは、「計画通りに進めることよりも、アクションを起こすことで思いがけない出会いや協力が生まれる」と語り、「行動してみることが一番のアドバイスです」と締めくくってくれました。

明確な事業計画がなくても、「何かをやってみたい」という思いがあれば、ぜひ一度カトカミにも足を運んでみてください。現場からは以上です!
(文章 カトカミ運営事務局 上條&江本)